患者様の脂肪から抽出して培養した幹細胞を使用します

自己脂肪由来幹細胞による治療効果

  • 免疫系の制御
    免疫系を調節・抑制。アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患に効果が期待できます。
  • 血管新生
    血管を新たに作って血行を改善。動脈硬化症などに効果が期待できます。
  • 抗炎症作用
    体内の炎症を抑え、関節炎や皮膚や血管などに対してアンチエイジング効果が期待されます。
  • 抗酸化作用
    活性酸素を減少させ、細胞の老化を防ぎます。
  • 組織修復作用
    損傷や機能不全となった組織の再生修復を助けます。
  • 抗アポトーシス作用
    細胞死の一種であるアポトーシス作用を防ぎます。

自己脂肪由来幹細胞治療とは

「自己脂肪由来幹細胞治療」は、まず、幹細胞を患者様の脂肪から抽出し、培養し、「幹細胞それ自体」及び幹細胞から分泌される「サイトカイン*1」を増やします。次に、その増やした幹細胞及びサイトカインを点滴や注射でご自身に戻す治療です。

脂肪由来の幹細胞は脂肪細胞以外にも神経細胞、消化管などの内臓、筋肉や骨に分化する能力を持ち、損傷した細胞や老化した細胞の修復が期待されています。また、幹細胞から分泌されるサイトカインは、周囲の細胞に直接作用し、免疫系の制御、血管新生、抗炎症作用、抗酸化作用、抗アポトーシス作用、組織修復作用など様々な治療効果が期待できます。

さらに、脂肪幹細胞は、ES 細胞やiPS 細胞に比べて倫理的な問題や発がんリスクが少なく、骨髄幹細胞に比べて採取の負担が小さく、体への負担も少ないことが特徴です。そして、安全かつ簡便に用いることができ、増殖能が強く、増殖に伴う老化の影響や骨分化能の低下が少ないという優れた特徴も持っています。

*1) サイトカインとは
細胞は培養中に、細胞自身が活性化や成長、増殖するために、「サイトカイン」とよばれる様な種類のタンパク質を培養液中に放出します。「サイトカイン」は、体内の損傷を受けた組織や細胞の機能回復などにおいて重要な役割を果たしていて、老化などにより、衰えた細胞を回復する効果が期待できます。

がんの治療研究や再生医療の世界的権威である 落谷孝広 医学博士が顧問に

落谷 孝広 医学博士

東京医科大学教授/医学博士
元国立がん研究センター研究所 分子細胞治療分野長

受賞実績など

  • 2020年2月21日「体液中マイクロRNA によるがんの早期診断法の確立とその実用化」の功績により、高松宮妃癌研究基金学術賞を授賞。
  • 2020年1月 Web of science が世界で最も影響力のある科学研究者を発表し、2019年Highly Cited Researchers に選出。
  • 2017年9月、ノーベル委員会が世界で最も注目する研究者10人に、日本で唯一選出され、特別招待講演を行う。

詳しいプロフィールはこちら

当院が提供する「再生医療 幹細胞治療」・がん等予防医療「スーパープレミアム免疫治療・療法」にご賛同いただき、落谷教授にはメディカルテクニカルアドバイザーとしてご協力いただいております。

片桐衣理 統括院長

自己脂肪由来幹細胞治療の特徴

1. 幹細胞の含有量が多い

脂肪組織に含まれる脂肪由来MSC*2の数は骨髄中に含まれるMSCの500倍もの量が含まれています(1)。骨髄由来MSCは採取できる量が限られているのに対し、脂肪由来のMSCは全身の脂肪組織から大量に採取することができます。

2. 産生される各種因子(サイトカイン)の量が多い

脂肪由来MSCは、骨髄由来のものと比べて臓器修復に寄与するHGF(肝細胞増殖因子)やVEGF(血管内皮増殖因子)といった成長因子(再生促進因子)の産生が多いです(2)。

3. 高齢者の方でも増殖可能

MSCは、加齢とともにその数も減少していきます。加齢による影響はそれだけではなく、骨髄由来のMSCは加齢とともに増殖のスピードが遅くなるという報告もあります(3)。それに対して脂肪由来のMSCは高齢者の方の脂肪組織から得たものであっても、問題なく増殖することができます。

4. 患者様への負担が少ない

脂肪組織が体の表面に近いため、採取にあたって患者様への負担は少なくて済みます。

幹細胞治療のデメリットについて

  1. 最先端の医療であるために、無作為化比較対照試験 (RCT) によって得られたエビデンスが少ないことがあげられます。
  2. 治療との因果関係は不明ですが、過去には1例の肺塞栓症も報告されています。

*当院ではモニタリングをしながら、安全を最大限に配慮しながら治療を行っています。

治療をお受けいただけない方について

患者様の安全確保のため、当院では再生医療を実施するにあたり以下の基準を設けています。該当する方は治療を受けることができません。ご了承ください。

  1. 感染症の検査結果が陽性のかた(HCV,HBV,HIV,HTLV-1、 梅毒血清反応)
  2. 局所麻酔薬、培養時に使用するペニシリン、ストレプトマイシン、アムホテリシンBへのアレルギー反応がある方
  3. 重度の心・血液・肺・腎・肝機能疾患や脳疾患、精神疾患、悪性腫瘍及び糖尿病をお持ちの方
  4. 重度の糖尿病(HbA1c7.0%以上)、重度の心不全、腎不全(クレアチニンクリアランス30ml/min未満)など、重篤な臓器障害をお持ちの方
  5. 年齢が20歳未満、あるいは80歳以上の方
  6. 妊婦・授乳者の方
  7. 正常な同意能力を有さない、または代諾者から同意が得られない場合
  8. 本治療に関する同意説明文書を受理し十分な説明を受け、自由意思による同意を文書で示していない(代諾者が文書にて同意していない)場合
  9. 問診・検査などにより担当医師が適応でないと判断した場合

当院が適性医療機関である理由

再生医療提供計画番号を厚生労働省から正式に取得

慶応義塾大学病院 形成外科の教授チームが患者さまご自身の脂肪採取を担当。
高い技術を持った医師による負担の少ない安全な治療をご提供。

日本で最高水準の安全性と培養技術を持つ新法「再生医療等安全性確保」に対応した特定細胞加工施設(FA3190002)との業務提携

*2) MSC(間葉系幹細胞)とは
ヒトが持つ幹細胞のひとつで、骨髄や脂肪、皮膚など全身の様々な場所に存在しています。また、その部位によってMSCの性質も少し違っています。本来MSCとは、脂肪・骨・軟骨に分化できる細胞と定義されていますが、この他にある組織細胞(肝細胞、神経細胞など)へも分化することもできます。また、幹細胞からの分泌物は、周囲に拡散して近隣の細胞に直接作用することができ(パラクライン効果)、免疫系の制御、血管新生、抗炎症作用、抗酸化作用、抗アポトーシス作用、組織修復作用など様々な治療効果が期待できます。

参考文献

(1) Ohgushi H, Caplan AI. Stem cell technology and boice-ramics: from cell to gene engineering. J Biomed Mater Res. 1999;48(6):913-27.
(2) Iwashima S, Ozaki T et al. Novel culture system of mesenchymal stromal cells from human subcutaneous adipose tissue. Stem Cells Dev. 2009 May;18(4):533-43.
(3) Mareschi K, Ferrero I et al. Expansion of mesenchymal stem cells isolated from pediatric and adult donor bone marrow. J Cell Biochem. 2006 Mar 1;97(4):744-54.

治療の流れ

投与

点滴にて投与します(ex:1ml に5千万個~2億個*の幹細胞)。

経過観察

初回投与から約60日後にご来院・経過観察を行います。

初診

担当医師によるカウンセリング・治療の説明を行います。治療の前に適格性の検査(主に血液検査)を実施いたします。

脂肪採取

局所麻酔下で患者様から担当医師が脂肪を採取します(10g 程度)。また、細胞の培養に使用するため採血を同時に行います(60ml)。

細胞培養

最高水準の安全と培養技術を持つ特定細胞加工施設にて、約3~4週間かけて培養します。培養の終了後に投与に関する日程についてご連絡いたします。

料金

自己脂肪由来幹細胞治療

回数(合計培養細胞個数)料金(日本円・税別)
1回(5千万~2億個まで)2,100,000
2回(1億~4億個まで) [2%OFF] 4,116,000
3回(1億5千万~6億個まで)[2%OFF] 6,174,000
4回(2億~8億個まで)[2%OFF] 8,232,000
5回(2億5千万~10億個まで)[5%OFF] 9,975,000
6回(3億~12億個まで)[7%OFF] 11,718,000
7回(3億5千万~14億個まで)[7%OFF] 13,671,000
8回(4億~16億個まで)[7%OFF] 15,624,000
9回(4億5千万~18億個まで)[7%OFF] 17,577,000
10回(5億~20億個まで)[10%OFF] 18,900,000
オプション:培養上清(エクソソーム) ( 全1回のみ作成できます。)

間葉系幹細胞を培養する際に生成される、サイトカイン・成長因子のこと。組織の修復および再生を施す効果に優れています。

回数(合計培養細胞個数)料金(日本円・税別)
[オプション]
培養上清(エクソソーム)
1回のみ作成
300,000
  • 投与する細胞数は、1回最大2億個までとなります。
  • 採取した脂肪の凍結保存期間は採取日より3年としております。
    培養費は、初回は各種血液検査、2年目以降は冷凍保管料などが発生します。
    ●治療費には、自己脂肪由来幹細胞治療を行うための諸費用【細胞加工技術料・手技料<採取料:275,000円(税抜)・投与>・再診料など】がすべて含まれています。
    ●上記の金額には、幹細胞を使用した施術料金および、全身採血検査・腫瘍マーカー採血検査・スクリーニング感染症採血検査を含みます。
  • 一度決めた回数からの変更を受けることができません。ご了承ください。
  • 必要に応じて上記以外の検査が必要な場合は別途料金がかかります。
  • より良い効果を得ていただくために、ご購入いただいたコースメニューの使用有効期限は3年とさせていただきます。あらかじめご了承ください。
  • 上記の全ての料金は、有効な日本健康保険証をご提示いただき、且つ日本語が流暢でカウンセリングに支障がない患者様のみ対象となります。それ以外の患者様の治療費に関しましては、カウンセリング後の見積書をご参照ください。

自己脂肪由来幹細胞培養上清(エクソソーム)施術

投与方法料金(日本円・税別)
点滴
有効成分を直接血管に注入することにより、有効成分がダイレクトに体内へ作用します。
60,000
イオン導入
微弱な電流を流すことによって、有効成分を肌の深部までデリバリーする方法です。
80,000
メソセラピー
お肌・頭皮などへの局所注入により、有効成分を皮下にダイレクトに届け、素早い効果を発揮する方法です。
100,000
吸入(ネブライザー)
鼻や喉から有効成分を取り入れる方法です。
80,000
原液(ホームケア)
幹細胞培養上清(エクソソーム)原液をホームケアとして、ご利用いただく方法です。
50,000
点鼻スプレー(ホームケア)
幹細胞培養上清(エクソソーム)と高い抗酸化成分である「αリポ酸」をプラスした点鼻スプレーです。
90,000

よくあるご質問

PRP療法(多血小板血漿)との違いは?

PRP とは、採血した血液を遠心分離した時に得られる上澄み液であり、培養されたものではありません。よって、幹細胞治療とは異なり、成長因子やサイトカインを殆ど含まず、細胞賦活効果は期待できません(炎症など肌トラブルのリスクも報告されています)。